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ている(注37)。またアメリカ、オーストラリアについては租税条約では双方に対象税目に地方税は含まれていないが、外国税額控除については相互に地方政府が課税する租税も控除することと規定されている(注38)。
4.むすびにかえて
小論では「国際化と地方税」というテーマのもと、地方税法や租税条約等に定める賦課及び徴収の適正な確保という観点から現状を批判的に考察した。その結論を要約すれば以下のようになるであろう。
全世界所得を対象にした居住者(内国法人を含む)課税と国内源泉所得を対象とする非居住者(外国法人を含む)課税とに分けて考えると、強いて言えば前者に係わる問題は既存の制度的枠組みである程度までは対応可能と判断する。その基本的理由は国際課税制度における制度改正の影響である。外国税額控除についていえば、みなし外国税額控除や間接外国税額控除における子会社の持株保有要件の見直し等が残されているとはいえ、控除限度額の濫用問題には88年税制改正で一応の歯止めがかかった。さしあたり外国税額控除にかかわる地方税固有の問題は深刻であるとはいえない。
移転価格税制についてもIRSへの議会の圧力、独立企業問価格の算定や事前確認制度をめぐる米国の動向といった流動的な要因があるものの、地方税還付に伴う財政運営上の問題は繰越控除制度の創設と還付加算金の特例によって一応の解決が図られている。更正の請求期間の特例をめぐる問題も時の経過とともに鎮静化するであろう。したがって既存の制度的枠組みの中で漸進的な改善を積み重ねる努力が重要になる。原理・原則に照らして検討を要するのは事業税の課税標準ではなかろうか。内国法人の事業税の課税標準算定における国外源泉所得の除外は、利益説的な根拠づけに基づいているようだが、そうであるとすれば何故、課税標準が所得なのかという疑問が生じる。外形標準化問題においても国際課税を念頭においた検討が望まれる。
注37 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約(昭和45年、条約第23号)、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税防止のための日本国と大韓民国との間の条約(昭和45年、条約第20号)
注38 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約(昭和47年、条約第6号)
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